地域情報サイト 広島|吉田安孝の『サンフレ川柳』
 

吉田安孝がサンフレッチェ広島の今を詠む!
 


 
『ナビスコカップ初のベスト4』
 
願望を
執念に変え
ベスト4
 
≪コメント≫
サンフレッチェ広島が、2010Jリーグ・ヤマザキナビスコカップで、クラブ史上初となるベスト4進出を決めました。
 
AFCチャンピオンズリーグに出場したサンフレッチェは、ヤマザキナビスコカップの予選リーグをシードされ、ホーム&アウェイ方式で争う決勝トーナメントからの出場となりました。
決勝トーナメント初戦(準々決勝)の相手は、2007年に同大会のタイトルを獲得したガンバ大阪。
実は、この年、サンフレッチェはクラブ史上初の決勝トーナメント進出を果たし、選手、サポーター、すべてのクラブ関係者が、そのとき初めてナビスコカップのタイトルを真剣に意識したのです。
残念ながら、決勝トーナメント初戦で敗退しましたが、クラブにとって大きな1歩を踏み出したことに間違いはありません。
しかし、今振り返ってみると、あのときに意識したのは、「タイトルを獲りたい!」という"願望"だったような気がするのです。
一方のガンバ大阪が意識していたのは"願望"ではなく、「絶対にタイトルを獲ってやる!」という"執念"だったのではないでしょうか。
互角の力を有する両チームにとって、その差が明暗を分けたのではないかと、今になって思うのです。
 
あれから3年の月日が流れた今、タイトルへの執念をむき出しにした紫の戦士たちが、強豪ガンバ大阪に競り勝ってベスト4に進出し、クラブの歴史を変えたのです。
しかし、彼らは、決してそれに満足していません。
タイトル獲得チームに与えられるあかし『☆』をユニホーム左胸のエンブレムに付けるまでは…。

 
投稿日:2010年9月18日
 


 
『勝利への鍵は「ハイリスク」』
 
ハイリスク
背負った先に
ハイリターン
 
≪コメント≫
「山形戦はサッカーではなく、闘いであり、戦争である」とペトロヴィッチ監督は言いました。この「闘い」という表現には、2つの考え方があると思います。
まず1つは、「負けないこと」を前提とする考え方。そしてもう1つは、「勝つこと」を前提とする考え方です。最終目的は同じであっても、2つの違った考え方があるのです。
 
そして、前者の「負けないこと」を前提とした闘い方をするチームの代表格が、山形だと思います。これは、負けないために、相手に対してスキをまったく与えずに守りを固め、極力リスクを負わずに、数少ないチャンスを活かそうとする戦術です。
一方のサンフレッチェは、後者の「勝つこと」を前提とした闘い方をするチームです。勝つために自分たちの最大の武器である攻撃力を全面に押し出し、相手をねじ伏せるのがサンフレッチェのサッカーではないでしょうか。そこには、自然発生的に相手にスキを与え、大きなリスクを伴います。リスク覚悟の上で攻撃するのがサンフレッチェのサッカーなのです。
このように、山形戦は、両極端なチーム同士の対決だったわけですが、この難しい「闘い」をサンフレッチェの攻撃サッカーが制したのです。「ハイリスク」なサッカーが、「ローリスク」なサッカーを制したのです。
 
リーグ戦も20節を過ぎ、今後も山形のような守備意識の高い手ごわいチームとの対戦が、多く待ち構えています。特に、リーグ終盤戦になると、降格圏内のチームとの対戦では、山形以上に守備を固めて1ポイントをしぶとく奪いにくることも考えられます。しかし、そのような状況でも、サンフレッチェは常に3ポイントを奪って上位争いをしなければなりません。そのためには、山形戦でみせた「ハイリスク」な闘い方を貫き通してほしいと思います。
サンフレッチェのサッカーは、「ハイリスク・ハイリターン」なのです。

 
投稿日:2010年9月6日
 


 
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◆吉田安孝
1966年11月22日生まれ。
サンフレッチェ広島で活躍、引退後はスポーツコメンテーターとして活躍中。
広島テレビ『進め!スポーツ元気丸』の解説者、スタジアムFMの解説者としても活躍中。
 
◆PCサイト
『サムライ吉田の蹴球戦国史』
http://yoshida-yasutaka.com/
 


 
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